2013年6月19日早朝、母が享年91歳で亡くなりました。私も今年で65歳を向かえ、現在に至るまで多くのお葬式に参加をさせて頂きました。その度に縁遠い私は、実の母の葬式だけは立派に上げてやろうと思い描いて来ました。今回母が亡くなりお葬式の準備に入ろうとするとそう甘くはありませんでした。私の家系は複雑で母が生活する家族から見た私の立場は戸田家から出た一人の男でした。私の正確な続柄は養子の二男の様でお葬式の喪主は、現在の家族の長男が仕切り、今の家族が中心に式の準備を行うことになり、株式会社代表取締役戸田直員の母としてのお葬式を上げてやれる事が出来ず、取引先や友人に隠すのに多くのエネルギーを使いました。縁遠く純粋な母親がこの世を去る時ぐらいは、私が65歳まで頑張って生きて来た証になる様な立派なお葬式をしたかった。普段から社員や家族に「どんな親でも親は親、親を大事しろ」と言ってきた私が、母親の葬式を自分の満足のいく様に出来なかったことに情けなく思いました。そして親戚の一人としてのお葬儀式への参加は夢遊病者のよう時間を過ごしました。母は63年連れ添った主人に別れを告げ、一年間しか過ごさなかった私の父の眠るお墓に眠ることになりました。親父は私の生まれる前に亡くなり、私は複雑な家庭環境に中学卒業まで育ち、その辛い経験から親父を憎み、ある時期までお墓参りには数えるほどしか行きませんでした。その様な私に神様は49歳の時死と向き合う様な大病をいただき、やっと親父への感謝の気持ちが理解でき、その後毎月お墓参りをして来ました。今回母が現在の主人と別れ、親父の眠るお墓に入る事に私の心の整理は出来ていません。しかし親父を理解した時の様に、きっと母親の人生も理解する時が来ると信じています。そしてこの経験を生かし家族愛に満ちた素晴らしい戸田一族にしたいと思いました。
日付:2013-06-24
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